
当院に腰痛や膝痛、股関節痛、首の痛みで初めて来る方でも、お話をよく聞いていると、過去に尻もちをついたことが原因の方が中にはいらっしゃいます。
では、なぜ尻もちをつくと腰痛だけでなく、膝や股関節、首にも症状が出てくるのでしょうか。
尻もちをついて他が痛くなる理由
まず、尻もちをつくとどこを打つのかというと、ほとんどはお尻の固い部分で坐骨(骨盤の一部)というところを打ち付けてしまいます。
つまり直接的に骨盤を痛めてしまいます。
すると骨盤がクルッと後ろに強制的に回転させられて、骨盤の関節部分である仙腸関節をガリッと削るような形で捻挫を起こしてしまいます。
骨盤という所は体の中心にあって、土台となる所です。
その骨盤は様々な機能がありますが、この骨盤の関節部分である仙腸関節がしっかりと動くことで、体はバランスが取れるようになっています。
その骨盤を直接的に傷めてしまうことで様々な問題が生じてきてしまいます。
この骨盤が尻もちをついてうまく動けなくなってしまったせいで、骨盤の上に乗っかってくる脊柱もかばって動きが悪くなり歪んでしまい、捻れるようなストレスがかかりやすくなってしまいます。
この歪んで動きが悪くなってしまうせいで、腰椎を傷めたり、頚椎を傷めたりします。
さらに腰や首の筋肉も負担が強くなり、筋バランスや弾力性も低下していってしまいます。
その結果、腰痛や首の痛みなどが出てくることがあります。
また、骨盤の動きが上手く動けずにバランスが悪いと、足の荷重のかかり方や動き方に左右差が出てきてしまいます。
動きの左右差が出てくると膝や股関節を捻るような力も加わるようになってしまいます。
その状態で歩いたりしていると、結果として膝の痛みや股関節の痛みなども出てくることがあります。
尻もち後の腰、首、膝、股関節が中々良くならない理由は?
このように尻もちをついて骨盤を直接悪くすると全身の不調や症状につながってしまいます。
骨盤の歪みや動きの悪さと、それに伴う体のバランスの悪さや捻れの問題が他の部位に負担をかけて症状が出ています。
そのため骨盤の問題を残したまま、首や腰の筋肉をマッサージしてほぐしたり、膝に電気をかけたりしても、一時的には症状は緩和しますがまた症状を繰り返す方がほとんどです。
自分でできる対処法は?
では、尻もちをついて痛めてしまった場合はどうすれば良いのか?
まずは、1週間くらいはあまり動き回らずに安静にして様子を見てください。
症状のあるところは、痛めて炎症が起きています。炎症ということはその部分で熱が溜まっているため、氷でアイシングをして炎症を取ってください。
1週間アイシングをして、安静にしていれば症状はおさまってきます。
また骨盤の動きの悪さを回復させるために四つん這いになってハイハイで動き回るのもとても有効になります。
ハイハイをする時の注意点は、ゆっくりやることと背筋を無理のない範囲で伸ばして行うこと。
もう一つが、下が柔らかいところでやることです。
硬いところだと手首や膝頭が痛くなってしまう恐れがあるので注意してください。
もし硬いところでやる場合は膝にパットの入ったサポーターを付けて行うと良いです。
それでも症状がおさまらない方は、骨盤から施術を進めていく必要がありますのでご相談くだい。